制作意図
夏目漱石の名作『草枕』の舞台となった地、天水町が、明治30年大晦日の小説の素材となった漱石の小天温泉への旅から100年の記念として制作しました。
『草枕』は、町が授かった貴重な文化遺産として町内外の多くの人々に親しんでいただきたいところですが、有名であるが難解で、ドラマ化等からも縁遠く、一般にあまり内容が知られていません。
作品は、『草枕』をわかりやすく表現し、一人でも多くの視聴者に理解と親しみを与え、さらに、背景となった天水町への探索欲と親近感を喚起することを目的としています。
作品内容
構 成
本作品は、現代の若者の眼を通して、小説『草枕』の解説・紹介を展開します。小説の情景には、大正15年に日本画家松岡映丘一門27名によって描かれた『草枕絵巻』(奈良国立博物館蔵)を使用しています。
あらすじ
大学入試の国語に『草枕』が出題され完敗した三郎。ガールフレンドに馬鹿にされ、汚名返上・気分転換に『草枕』の舞台となった天水町小天(てんすいまちおあま)
を訪 れ、漱石の非人情の世界を理解しようとする。
「画工」を翻弄するヒロイン「那美」の奔放な行動に驚き、戸惑いながらも、『草枕』がわかりかけ、非人情に徹した受験勉強を決心する。 だが ・・・
ガールフレンドに再会した三郎。 小説の終わりに那美が見せた”憐れ”の表情同様、非人情に耐えきれず・・・。